パルダリウムとは

WHAT IS PALUDARIUM

パルダリウムとは

「心の中の自然を創る文化」

最も身近な自然で、明日が楽しみになる

パルダリウム水槽

1. 心の中の自然を創る文化

パルダリウムの本質は、単に苔を草原に見立てたり草を木に見立てたりするような「ミニチュアの風景づくり(ジオラマ)」を行うことではありません。ガラス容器の中に、多湿な環境を好む植物のための生態系(エコシステム)を自らの手で構築し、維持していく「心の中の自然を創る文化」です。

かつては高価で希少な植物を収集・所有することに価値が置かれる傾向もありましたが、現在のパルダリウム文化は「植物が健康に育つ環境の構築」や「全体の美しい調和」を共有する成熟したカルチャーへと進化しました。これは決して希少植物を楽しむことを否定しているわけではなく、植物の価格や希少性に関わらず、命が息づく環境を創り上げるプロセスそのものに重きを置いているためです。

目の前のガラス箱の中に、自分自身の心の中にある「理想の自然」を具現化し、命のサイクルを宿らせる、極めてパーソナルで哲学的な営みと言えます。

2. 最も身近な自然

パルダリウムは、屋内で造形・観察・育成が完結することから「最も身近な自然」として位置づけられます。季節の移ろいや自然の力強さを表現する盆栽の概念をリスペクトしつつも、パルダリウムは屋内の生活空間で管理できるため、いつでも間近で命の移ろいと向き合うことができます。

さらに、近年の猛暑やゲリラ豪雨、極端な寒波など、過酷な外部の異常気象から繊細な熱帯雨林植物(パルダプランツ)を守り抜く「現代のシェルター」としての実利的な機能も備えています。エアコンの効いた快適な部屋の中で、自然の偉大さや美しさを身近に感じつつ、植物を安全に保護できる環境なのです。

3. 明日が楽しみになる

パルダリウムは「作って終わり」の装飾品ではなく、その後の経年変化を楽しむ「生きたアート」です。時間をかけてコケが流木や石に定着し、植物が新しい葉を展開していくプロセスを数ヶ月、数年単位で見守ります。

情報過多で多忙なデジタル社会において、毎朝ガラスの中の小さな新芽や生態系の変化を観察することは、深い安らぎとワクワク感をもたらします。レアな植物を持つことだけがステータスではなく、「目の前の生命の成長を通じて明日が楽しみになり、心が豊かになること」こそが、この文化の最大の価値であり目的なのです。

※ 自生地の土壌や気候から栽培のヒントを得ることは重要ですが、日本の環境は水質や気候が異なるため、科学的100%の自生地再現に捉われすぎず、植物が健康に育つ環境を作ることが大切です。

※ ケース内に生物(カエル・カニ・イモリ・ヤモリ・虫など)を飼育することも可能ですが、植物が生きていく環境が主役となることが理想的です。

パルダリウムの精神的・現代的価値

盆栽の概念に通じる魅力(経年変化の享受)

パルダリウムは「生きたアート」であり、作り上げた瞬間が完成ではありません。数ヶ月、数年と時間をかける中で、植物が成長し、コケが素材に馴染んでいく過程を見守ります。季節の移ろいや自然の力強さを一鉢に集約するという、日本の伝統的な「盆栽」の概念を深くリスペクトし、自然を切り取り、時間をかけて仕立てて変化を楽しむという志向や思想において共通する側面を持っています。

メンタルケアと「明日が楽しみになる文化」

情報過多で多忙な現代社会において、朝の数分間にガラスの中の小さな新芽や変化を観察することは、深い安らぎとワクワク感をもたらします。「レアな植物を持つこと」ではなく、「目の前の生命の成長を通じて明日が楽しみになり、心が豊かになること」こそがパルダリウム文化の真の価値です。

異常気象に対する「シェルター」機能

近年の気候変動により、猛暑や極端な寒波など、屋外や通常の室内環境は繊細な熱帯植物にとって過酷な場所となっています。密閉性と環境制御に優れたパルダリウムは、過酷な外部環境から小さな命を守り抜くための「現代のシェルター」としての実利的な役割も担っています。

自己表現とインテリア

自分が「美しい」「自然だ」と感じる情景や世界観を目の前のガラス容器に具現化することで、室内空間にナチュラルで上質なアクセントを与えるだけでなく、自分自身の内面と向き合う深い自己表現の場となります。

DIY・クラフト・アート

容器選びから照明の工夫、壁土や流木を用いた立体造形まで、ものづくりの楽しさが詰まっています。時間とともに生き生きと姿を変えていく「成長する立体造形作品」として芸術的価値も高く評価されています。

パルダリウムの可能性

研究・教育と生態系の理解

パルダリウムは、自然環境を再現しながら植物を栽培することで、植物の生態や成長過程を観察し、環境との関係性を学ぶことができる魅力的な方法です。生態系の仕組みや湿度・温度管理の重要性を学ぶと同時に、植物の分類学にも触れ、科や属ごとの特徴を深く理解することができます。探究心を養う教育的カルチャーとしての高い側面を備えています。

環境保護と希少種の保存

環境保護と教育への応用

  • 自然の多湿環境・湿地環境の再現を通じて、環境教育や生態系の保全に貢献。
  • 絶滅危惧種の植物や両生類の保護・繁殖プロジェクトにも利用。

近年多発する異常気象や環境破壊により、多くの希少植物の生存が脅かされています。パルダリウムを用いて室内で精密な多湿環境を維持・管理することは、絶滅の危機に瀕した熱帯植物を安全に保護し、種を未来へ保存していくための貴重な取り組みとして大きく期待されています。

パルダリウムの理想環境

湿度 60%〜99% (精密に制御された多湿環境)
温度 植物に応じた温度 (エアコン等を活用し一般的に20〜28℃)
光量 植物に適した光量 (LEDや蛍光灯を使用)
通気性 適度な換気を行い、空気の流れを確保
※さりげなく結露しない程度が理想 (季節により度合は異なる)
水質 日本の水質に適応した管理 (過度な自生地再現は避ける)
※水道水でも栽培可能。
栽培環境 屋内に透明の容器を設置し、外部気象から保護されたシェルター環境を作る
ガラス水槽、ガラスボトル、ガラスケージなど、フタをできるもの
レイアウト 流木・石・壁土を活用し、ジオラマではなく植物本来の生態と美しさを表現
床床 赤玉土、造形土などの無機質用土に少量の腐葉土などの有機物質がよい
※使用する植物による
植物の種類 熱帯・温帯雨林植物、湿生植物など多湿環境に適した種の中でも主に原種の小型植物
※パルダリウムに向いている植物 = パルダプランツ
生物の割合 可能だが、植物が生きていく環境が主役となることが理想
育成の目的 生態系の構築・観察・成長過程を楽しみ、自然と命の尊さを感じる

パルダリウムの名前の由来

「パルダリウム(Paludarium)」の語源は、ラテン語の「パルス(Palus)=湿地・沼地」と「アリウム(Arium)=空間・容器」を組み合わせた造語です。単に物理的に植物を詰め込む場所ではなく、湿地生態系という空間を自ら創り出し、維持・維持していく文化そのものを象徴しています。

語源の詳細

  • Palus(パルス):ラテン語で「湿地」「沼地」を意味する言葉。
  • - arium(アリウム):ラテン語で「〜の空間」「〜の場所」や「〜を育てる容器」を意味する接尾辞(例:Aquarium, Terrarium)。

まとめ

「パルダリウム」の語源は ラテン語の「Palus(湿地)」+「arium(場所・容器)」で、湿地環境や多湿環境の生態系を再現・構築する文化です。

余談

アクアリウムの水草として扱われる、プロセルピナカ パルストリス(アリノトウグサ科の植物 / 学名Proserpinaca palustris)の学名の「palustris(ラテン語)」は、「湿地を好む」「沼地に生える」という意味。

パルダリウムの歴史

古代〜18世紀「水生生物の飼育と観察の発展」

ヨーロッパでは、湿地や水辺の植物・生物を観察するための人工的な環境が作られるようになり、水生植物や両生類の研究が進みました。

19世紀「アクアリウムとテラリウムの登場」

ヨーロッパでガラスの器を用いたアクアリウムが普及しました。また、陸生植物をガラスケース内で育てる「ウォードの箱(Wardian Case)」が19世紀初頭に発明されました。これがテラリウムの元祖となり、熱帯植物の輸送や栽培に利用されるようになりました。

20世紀初頭「アクアテラリウムの概念が登場」

アクアリウムとテラリウムを組み合わせた「アクアテラリウム(Aquaterrarium)」という概念が登場。科学者や愛好家たちが水生植物や両生類、爬虫類を同時に飼育する試みを始めました。

1960〜70年代「パルダリウムの原型が確立」

ガラス水槽の改良や、フィルター・照明システムの発展により、本格的なアクアテラリウムが可能に。この時期に「パルダリウム(Paludarium)」という言葉が使われ始めたという説もあります。

1980〜90年代「観賞用パルダリウムの普及」

爬虫類・両生類の飼育が一般的になり、熱帯雨林のような湿地を再現するスタイルが人気に。特に、熱帯植物(シダ、蘭、コケなど)と水辺を融合させたレイアウトが注目を集めました。

2000年代以降「ネイチャースタイルの流行」

日本の水草レイアウトの第一人者・天野尚(Amano Takashi)が提唱した「ネイチャーアクアリウム」の影響で、自然美を重視した水槽レイアウト作りが広まりました。

2010年代以降:「パルダリウムの確立」

熱帯雨林や湿地環境を再現するスタイルが定着し、「パルダリウム(Paludarium)」という言葉が広く知られるようになりました。この流れには、熱帯雨林植物の採取を行う日本人採取家(プラントハンター)への関心の高まりも影響していると考えられます。そのため、日本におけるパルダリウムでは、熱帯雨林の中でも日本と気候が近い東南アジア産の植物が多く用いられています。
また、LED照明やミスト発生装置、自動噴霧システムといった技術の進歩により、高湿度環境や湿地環境のより精密な再現が可能になりました。これに伴い、植物の育成を主目的とするパルダリウムと、生物の飼育を目的とするアクアテラリウムが明確に区別されるようになっています。

2020年代以降「多様なニーズと徐々なる普及」

コロナ禍における屋内で時間の有効活用や、異常気象による外出の危険性などを背景に、観葉植物を含む屋内園芸が大きく流行し、それに伴い希少植物の販売イベントが急増しました。また、地震によるアクアリウム離れからの新しい趣味として注目されたほか、テラリウムや苔テラリウムから「より植物を中心とした栽培環境」を求めてパルダリウムへ移行するケースが増加しました。さらに、ヤドクガエルやイモリなどを飼育するためのケース内環境としての需要や、レア植物の保護目的での利用など、多様なニーズに応える形でパルダリウムが徐々に普及・利用され始めました。

現在「本質的文化への成熟」

スマートフォンやAIの普及により情報が複雑化し、趣味の多様化や生活の利便性が増す一方で、アナログな体験や自然とのふれあいが再評価され始めています。デジタル社会の反動として、生命と直接向き合う時間がもたらす「癒やし」や「明日への楽しみ」が求められているからです。こうした時代背景において、パルダリウムは決して希少植物のコレクションを否定しているわけではなく、そこからさらに一歩踏み込み、健康な育成と調和を共有する「心の中の自然を創る文化」へと成熟しました。植物育成・シェルター機能・メンタルケア・アートが融合した、現代人の心に寄り添うカルチャーとして確立されています。

今後「さらなる多様化の可能性」

パルダリウムは更に細分化され、目的により名称が変わる可能性もあり、以下のような言葉が使用される事もある。

ビオトープ(Biotope)

特定の自然環境を再現し、生態系のバランスを考慮したレイアウト。
※日本では「ビオトープ(Biotop)」と呼ばれ、主に屋外で火鉢や樽などの容器を使い、メダカの飼育や水生・湿生植物の栽培に利用される。

ウォールパルダリウム

壁面を活用した水辺植物の育成。

パルダリウム 5ヶ条

01. 屋内の容器内栽
培であること

室内での観察が可能であり、猛暑や寒波などの外気温・湿度の影響から植物を安定して保護・栽培できる環境であること。

条件から外れるもの
  • 盆栽
  • 草物盆栽
  • ガーデニング
  • 屋外園芸
  • ビオトープ
02. 多湿環境で育つ
草本植物が主役
であること

水槽などの密閉容器内で湿度を維持しやすく、雨林植物や湿性植物の自然な生態系を構築すること。

条件から外れるもの
  • 乾燥地環境栽培
  • テラリウム
  • アクアリウム
  • 苔テラリウム
03. 鉢植え栽培では
ないこと

生態系(自然環境)の再現が目的であり、用土や固定したコルクなどに植え込み、自生環境の調和を表現すること。

条件から外れるもの
  • 園芸全般
04. ジオラマ的な表
現をしないこと

苔を草原に見立てたり、植物を木に見立てたりする箱庭表現ではなく、植物本来の成長や生態そのものを楽しむこと。

条件から外れるもの
  • ジオラマ的テラリウム
  • ジオラマ的コケリウム
05. 植物の成長を長
期的に観察でき
ること

作って終わりではなく、経年変化と命のプロセスを楽しむ側面として長期的育成が可能な種類を選ぶこと。

条件から外れるもの
  • 長期育成不可能な植物
  • 大型の植物

その他の条件

① 容器内の70%以上が陸上であること(水中30%以下)

② 植栽するための土台は基本的に天然資材であること(骨組みは人工素材でもよい)

※例外)ウォールパルダリウムと呼ばれる壁面などを人工素材で作る方法もある

③ 低床を敷いている、またはガラス面に土台が固定されている

例外

パルダリウム制作における人工物の活用と世界観の表現

パルダリウムでは、可能な限り人工物を使用せずに自然の美しさを引き出すのが理想的です。しかし、自身が「美しい」「自然だ」と感じる理想の世界観を表現する上で、人工物を取り入れることでより魅力的な演出ができる場合もあります。その際は、ミニチュア風の見立てにならぬよう注意し、植物とのサイズ比や世界観の調和に配慮することが重要です。

人工物を活かした表現例

  • 廃墟と自然の融合:苔や植物が侵食し、文明の名残が感じられる景観。
  • 放置された機械と自然:朽ちた機械が静かに佇む、時間の流れを感じさせる風景。
  • 幻想的な森の演出:時の流れを感じさせる、神秘的で心休まる世界を表現。

⚠ 注意点

フィギュアや市販の玩具などには著作権が関わる場合があります。特にコンテストでは、著作物の使用が失格対象となることが多いため、事前にルールを確認しましょう。

よく比較される栽培方法との違い

① テラリウムとの違い:ジオラマ(風景の模倣)と生態系の構築

パルダリウムはテラリウムの一種ですが、最も大きな違いは「ジオラマ(箱庭)的アプローチの有無」です。テラリウムの多くは、苔を草原に見立てたり、小さな草を大木に見立てたりして「風景の縮小版」を作ることを目的とします。一方、パルダリウムは「植物本来の生息環境と個体差の美しさを引き出す生態系そのものを構築すること」を重視します。

また、パルダリウムは多湿環境に適応した植物を育てるための「精密な環境づくり(シェルター)」でもある点において、一般的なテラリウムと一線を画します。

テラリウムとパルダリウムの印象の違い

テラリウム
(ジオラマ的表現・風景の見立て)
テラリウム(ジオラマ的表現)

タイトル:山間を走る小道

制作のこだわり

  • 石を山に見立てて、小道を作る。
  • 植物を木に見立てて配置。
  • 小物を配置し、楽しい世界観。

見る人の感想

  • 楽しい!縮小世界みたい。
  • 自分だったら人間を置きたい。
  • 景色がとてもきれいで癒やされる。

レイアウト(見立てた風景)が主役であり、植物は風景のパーツとして選ばれる。植物自体の育ち方や自生地の調泉は必ずしも最優先されない。

パルダリウム
(心の中の自然を創る・生態系の構築)
パルダリウム(自然環境の再現)

タイトル:石に寄生するホマロメナ

制作のこだわり

  • ジャングルの湿地のような「自然な環境と生態系」。
  • 植物の健康と生命力が伝わる配置。
  • 植物本来の美しさを引き出す構造。

見る人の感想

  • ジャングルの一角を切り取ったみたい!
  • 葉っぱの模様や色が綺麗で魅了される。
  • 植物が生き生きして美しい!

「心の中の自然」そのものが主役であり、植物の特徴や生き方を理解した上で環境が作られる。成長と調和のプロセスを楽しむ。

テラリウムは、
まるでミニチュアのような風景世界を模倣することを目的とし、

パルダリウムは、
生態系を構築し、植物の命と成長そのものを楽しむことを目的としています。

つまり、テラリウムでは「作りたい風景を自然の素材で見立てる」のに対し、パルダリウムでは「自然の命が息づく環境を自らの手で創り出す」という大きな違いがあります。

② 苔テラリウムとの違い

パルダリウムは苔テラリウムよりもさらに精密で高度な多湿環境をコントロールします。苔テラリウムは苔を主役とした観察・栽培方法ですが、パルダリウムは苔に加えて、ダイナミックに育つ熱帯雨林植物(パルダプランツ)などを組み合わせ、より複雑な生態系を表現する点に違いがあります。

③ ビバリウムとの違い

パルダリウムは、ビバリウム(特定の生息環境を容器内で再現する)の一種です。ビバリウムは生体の飼育・繁殖が主目的とされ、飼育ケージとしての意味合いが強いです。
パルダリウムでも生き物を飼育することはありますが、あくまで「植物と自然環境」が主役であり、命が美しく調和する生態系空間を作り上げることが目的となります。

④ ケース内園芸との違い

ケース内園芸は「鉢植え」を整列させて温湿度管理を行うことが多く、レイアウトとしての美しさや生態系の空間設計を重視していません。パルダリウムでは、鉢植えの目立つ配置は推奨されません。
一般的な園芸が「株を大きくすること」を目指すのに対し、パルダリウムではガラス容器という限られた空間の中で植物をコンパクトに仕立て、まわりの素材と調和しながら時を重ねていく美しさを重視します。

⑤ 盆栽との親和性:盆栽の概念をリスペクトする思想

パルダリウムの造形は、盆栽と同じではありませんが、その概念を深くリスペクトし、思考や思想において多くの共通点を持っています。季節の移ろいや自然の力強さを集約する盆栽が一鉢とするなら、パルダリウムは一箱の容器の中で自然の景観と生命の営みを表現し、長年かけて剪定し、仕立て、変化を楽しむという哲学を共有しています。屋外での管理が基本となる盆栽に対し、パルダリウムは屋内で管理できるため、天候に左右されずより身近に自然を感じることができます。
近年流行している「草物盆栽(下草や苔で一鉢の景色を表現する技法)」のスタイルも、パルダリウムの「心の中の自然を創る」精神と非常に高い親和性を持っています。

⑥ 日本と海外でのパルダリウムの概念の違い

海外では、パルダリウムは「湿地の植物と水生生物」を混在させる水辺環境再現を指すことが多いです。
一方、日本におけるパルダリウムは、陸上部分を中心に構成し、多湿な自然環境と植物の美しさをストイックに追求するスタイルが主流となっています。これは日本の住環境や、自然そのものに宿る美を感じ取る文化とも深く結びついています。

ロゴ

パルダリウムの本質

「心の中の自然」を創り、
最も身近な屋内で小さな命を守り育みながら、
日々の暮らしに「明日が楽しみになる」癒やしをもたらすこと。

  • ・単なる風景の模倣ではなく、生態系の構築である
  • ・希少植物を否定しているわけではなく、健康な育成と調和を尊重する
  • ・盆栽の概念をリスペクトし、経年変化を見守る側面を持つ
  • ・異常気象から大切な命を守る「シェルター」である

パルダリウムを通じて、私たちは自然の持つ癒やしと尊さを再認識し、
自分自身の心の中にある理想の自然とともに、豊かな人生を歩むことができるのです。

概要まとめ

パルダリウムとは?「心の中の自然」を創造する現代カルチャー

パルダリウムは、多湿環境に適した植物(パルダプランツ)をガラス容器内で育成し、自分だけの自然環境と生態系を作り出す文化です。風景を見立てるジオラマとは異なり、植物本来の生命力と調和を楽しむことを重視します。

パルダリウムの特徴と役割

  • 心の中の自然づくり:ガラス容器内に湿地生態系を構築し、自分だけの理想の自然を表現。
  • 最も身近な自然:屋内の生活空間で管理でき、盆栽の概念に通じる経年変化を楽しみながら、異常気象から植物を守るシェルター。
  • 明日が楽しみになる:植物の成長やコケの定着など、時間をかけた経年変化を毎朝観察する喜び。

パルダリウムと他の栽培方法の違い

  • テラリウムとの違い:ジオラマ(風景の縮小模倣)ではなく、生態系そのものの調和を追求する。
  • ビバリウムとの違い:生体飼育ケージではなく、植物と自然環境が主役。
  • ケース内園芸との違い:鉢植えの並列管理ではなく、空間全体を一つの自然環境として仕立てる。

パルダリウムは、日常に自然の癒やしを取り入れ、命の成長を見守る素晴らしい文化です。あなただけの「心の中の自然」を創造し、明日が楽しみになる豊かな暮らしを始めましょう。

パルダリウムとその他の栽培方法

パルダリウムとその他の栽培方法 相関図
相関図をPDFで見る(資料)

パルダリウムとその他の栽培方法 比較表

観賞対象 目的 環境 ジオラマ表現
(風景表現)
容器 管理場所 生き物育成
ビバリウム 生き物
(主に爬虫類や両生類)
生き物を育てるための環境づくり 水中や陸上
生物に合わせた屋内環境
なし 透明な容器
水槽やケージ
屋内 ◎
アクアリウム 風景、水景、魚、水草 魚や水草を育てる事を目的にすることもあるが、ジオラマの様な遠景の風景表現をすることもある。

※ただし、ネイチャーアクアリウムでは、ジオラマ表現をせず自然そのままを切り抜いたかのような水景再現を目的とする。
水中
素材として植栽する水草や育成する魚に合わせた屋内環境
あり 透明な容器
水槽やボトル
屋内 ◎
アクアテラリウム 風景、生き物、植物
水景、魚、水草
アクアリウムとテラリウムの複合環境再現。 水中と陸上
アクアリウムとテラリウムの複合屋内環境
あり 透明な容器
水槽やケージ
屋内 ○
テラリウム 風景、生き物、植物 生き物や植物を育てる事を目的にすることもあるが、ジオラマの様な遠景の風景表現をすることが多い。 陸上
素材として栽培する植物や育成する生き物に合わせた屋内環境
あり 透明な容器
水槽やケージ
屋内 ○
苔テラリウム 風景、苔 苔を栽培・観賞・観察する事を目的にすることもあるが、ジオラマの様な遠景の風景表現をすることが多い。 陸上・多湿、亜多湿
苔に合わせた屋内環境
あり 透明な容器
水槽やボトル
屋内 △
パルダリウム 自然、葉、茎、根 多湿環境で育つ草物の陸上植物を栽培・観賞・観察し、自然生態系を感じることを目的とする。 陸上・超多湿、多湿、亜多湿・湿地 ※一部水中
植物に合わせた屋内環境
なし 透明な容器
水槽やケージ
屋内 ○
オープンパルダ 自然、葉、茎、花 草物の陸上植物を栽培・観賞・観察し自然を感じることを目的とする。 陸上・湿地・亜多湿、常湿、乾燥環境
植物に合わせた屋内環境
なし 平たい透明容器 屋内 ×
ケース内園芸 主に葉 多湿環境で育つ草物の陸上植物を栽培・育種・観賞・観察することを目的とする。 陸上・超多湿、多湿、亜多湿・湿地 ※一部水中
植物に合わせた屋内環境
※一部屋外
なし 水槽やケージ、
衣装ケースの中で鉢植え
屋内 ×
一般的な屋内園芸 主に葉 主に園芸植物や観葉植物を栽培し、花や葉を観賞・観察することを目的とする。 陸上・常湿
屋内環境
なし 鉢 屋内 ×
一般的な園芸 主に花 主に園芸植物を栽培し、花を観賞・観察することを目的とする。 陸上・常湿
屋外環境
なし 鉢 屋外 ×
草物盆栽 自然、葉、茎、根 草物の植物を栽培・観賞・観察し自然を感じることを目的とする。 陸上・常湿
屋外環境
なし 鉢 屋外 ×
盆栽 自然、葉、茎、根 樹木を栽培・観賞・観察し自然を感じることを目的とする。 陸上・常湿
屋外環境
なし 鉢 屋外 ×
ビオトープ 池、沼、生き物 生き物を育てるための環境づくり。ビバリウムの水性バージョン。 水中や水辺・常湿
屋外環境が主
なし 水を溜める為
鉢状の容器
屋外 ×

※記載内容は変更になる場合があります。

Ver.2025.02 © 日本パルダリウム愛好会

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